なちゅまるの勉強ノート⑧|野生酵母発酵のリスクについて①

なちゅまるの勉強ノート
なちゅまる
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「私、なちゅまるがお客様の質問や疑問にお答えする為、日々の学びを書き記していきます!個人的な興味とオタク心が強めですが、ご一読いただけましたら嬉しいです♪」

今回はある作り手さんとの会話のなかで、盛り上がった話題を掘り下げてみたいと思います!是非、最後までご覧ください♪

今回のお題は

野生酵母発酵のリスクについて

野生酵母を使用したワンバッチ発酵に関して、ワンバッチでの発酵は醸造最後の段階で糖をアルコールへ変換する速度が遅くなり、発酵による菌の汚染リスクが高まることがあるんです!

理由1: 野生酵母の発酵能力のばらつき

野生酵母は商業用酵母と異なり、糖をアルコールに変換する能力が一定ではありません。特に以下の点が影響します:

  • 発酵速度が遅い:野生酵母は一般的にエタノール耐性が低いものが多く、最終段階での糖消費が遅くなることがある。
  • 発酵の不安定性:アルコール発酵の途中で酵母の活性が低下する可能性がある。

理由2: 長期発酵による汚染リスクの増加

発酵の速度が遅くなると、発酵タンク内の糖が長期間残るため、他の微生物(乳酸菌、酢酸菌、カビなど)が増殖するリスクが高まります。 特に以下の要因が関与します:

  • 雑菌(酸敗菌やカビなど)の増殖:発酵が長引くと、酵母よりも酸素を好む菌類が増殖しやすくなる。
  • 腐敗臭や酸味の発生:酢酸菌が増えると酢酸(酢のような香り)が生成され、乳酸菌の影響で意図しない酸味が強くなることも。

対策

  1. 発酵環境の管理
    • 仕込み時の初期pHを低めに調整(pH 4.5以下)して雑菌の増殖を防ぐ
    • 温度を適切に維持(20~25℃程度)して野生酵母の発酵を促進
  2. 発酵の途中で適切な酵母を補助的に使用
    • 途中から発酵力の強い酵母(Saccharomyces cerevisiae など)を追加し、糖の消費を促進
  3. 発酵期間の短縮と密閉環境の維持
    • ワンバッチ発酵では長期発酵はリスクが高いため、できるだけ短期間で発酵を終える設計が望ましい
    • 酸素の供給を避け、**嫌気状態(酸素を遮断)**を維持することで酢酸菌の活動を抑制

結論

野生酵母を使ったワンバッチ発酵では、発酵速度の遅延により、汚染リスクが高まる可能性があります。
適切な環境管理や補助的な酵母の使用でリスクを抑えることが重要です。

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