みなさん、こんにちは。ナチュマルワインストアの福島です!
先日、私が運営に携わっているイベント「Natural Wine Love」の事務局メンバーと、ワインの造り手さんのこだわりについて熱く語り合っていた時のこと。ふとしたきっかけで「ワインの栓(クロージャー)」に話題が集中し、私自身も改めて気づかされることが多くありました。
今回は、ワインのキャップやコルクに造り手がどんな想いを込めているのか。少しマニアックですがとても面白い「栓(クロージャー)の世界」を皆様にシェアしたいと思います。
多種多様なクロージャーの世界
一口にワインの栓と言っても、今は本当にさまざまな種類があります。 王道の天然コルクをはじめ、品質の安定性を高めて耐久性の数値を打ったDIAM(ディアム)などの合成コルク。他にも、スティルワインに使われるスクリューキャップ、シャンパン用のマッシュルーム型コルク、ビールなどでお馴染みの王冠栓(クラウンキャップ)、そして美しいガラス栓(クリスタルキャップ)や、耐圧瓶に使われる折りたたみ式栓(スイングトップ)など、選択肢は多岐にわたります。
造り手は、数あるメーカーや輸入会社の中から、ただ何となく栓を選んでいるわけではありません。そこには明確な「判断基準」が存在します。

1. ワインの「状態」に合わせた選択
まず一番大きな理由は、中に入っている液体の状態に対する物理的なアプローチです。
- ガス圧と残糖: 微発泡のペティアンや、瓶内で再発酵が進む(残糖がある)ガス圧が強いワインには、ガスをしっかり閉じ込めるために王冠栓が多く使われます。
- 熟成のコントロール: コルクは微量の酸素を通す(微酸化)ため、ゆっくりと熟成させたいワインに向いています。一方で、最近はスクリューキャップでも適切な瓶内熟成が行える仕様のものも登場しています。
- デザイン性: 王冠栓はシルバーだけでなく、今は様々なカラーが展開されています。エチケット(ラベル)のデザインや液体の色に合わせて、白や緑、ピンクなど王冠の色をコーディネートしている造り手さんも多くいらっしゃいます。
2. 「どんなシーンで飲まれるか」を想像する
そして、ワインはロマンの飲み物!と思うのが「ワインが開栓されるシーン(情景)」を想定した選び方です。ワインはとても情緒的な飲み物だからこそ、開栓の瞬間も味わいの一部になります。
🍷 高級レストランでの情緒的なシーン グランメゾンなどの高級レストランでは、やはりコルクが好まれる傾向にあります。キャップシールを美しく剥がし、ソムリエナイフを使って静かにコルクを抜く。お客様の目の前で行われるこのサーブの所作には、ソムリエやサービスマンの技術が光り、ワインの味わいやサービスの質を一段と高めてくれます。王冠栓をビールのようにポンッと開ける仕草では、少し情緒に欠けると感じる方もいらっしゃるかもしれません。
🎉 大人数でのパーティーやカジュアルなシーン 一方で、大人数を想定したパーティーやイベントでは状況が変わります。何十本も抜栓するのに手間を取られてしまったり、開ける人にソムリエナイフのスキルが必要になるコルクは、現場では敬遠されがちです。 そんな時は、ひねるだけ・引き上げるだけでサッと開くスクリューキャップや王冠栓が大活躍します。提供スピードが格段に上がり、特別な器具がなくても誰でも簡単に開けられるため、飲食店様でも非常に重宝されます。 「敷居を低くして、ドリンカブルにワイワイ楽しんでほしい!」というコンセプトで造られたワインには、あえて王冠やスクリューキャップを採用する造り手さんが多いのも納得です。
3. 環境への配慮という新しい視点
さらに現代のワイン造りにおいて、リターナブル(再利用)や環境配慮の視点もクロージャーに求められる重要な要素になってきました。 リサイクル可能なコルクやガラス栓など、地球環境を考えた提案を取り入れる造り手も増えており、ここにも彼らのフィロソフィーが表れています。
いかがでしたでしょうか? 中に入っている液体の状態から、お客様の口に運ばれるまでの情景、そして地球環境まで。たった1つの小さな「栓」に、造り手の途方もないこだわりとメッセージが詰まっています。
次にワインを飲むときは、ぜひ「なぜこの造り手はこのクロージャーを選んだのかな?」と想いを馳せてみてください。きっと、いつもの日本ワインがさらに美味しく、面白く感じられるはずです!
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