ブショネとは?知っておくべき「コルク臭」の原因と対策|ナチュマルワインストア

ワインの豆知識

ワインを楽しむ際に避けたいトラブルのひとつが「ブショネ(Bouchonné)」です。

ブショネとは、ワインにコルク臭が移ってしまうことを指し、これによりワインの香りや味が損なわれます。

ブショネは、避けられない問題ですが、その原因や対策について詳しく知ることで、より良いワイン時間を楽しむことができます。

1. ブショネとは何か?

ブショネは、フランス語で「コルク臭」を意味し、主にワインがカビ臭や湿った段ボールのような香りを持つ状態を指します。この香りは、ワインの風味を損なうだけでなく、場合によっては飲むことができないほど不快なものになります。

2. ブショネの原因

ブショネの主な原因は、コルクに含まれる「トリクロロアニソール(TCA)」という化学物質です。TCAは、コルクに使われる樹皮が、カビや塩素化合物と接触することで生成されます。これがワインに移り、独特の不快な香りを引き起こします。

他にも、ワインの製造過程で使用される木材や、ワインが保存される環境によってもTCAが発生することがあります。特に自然派ワインの製造過程では、化学処理を最低限に抑えるため、ブショネのリスクが高まることがあります。

3. ブショネの見分け方

ブショネを見分けるのは、経験が必要ですが、いくつかのポイントを押さえておくと良いでしょう。

  • 香り: ワインをグラスに注ぎ、香りを確認します。カビ臭や湿った紙のような臭いが感じられる場合は、ブショネの可能性があります。
  • 味わい: ブショネのワインは、通常のワインと比べて風味が鈍く、果実味や酸味がほとんど感じられません。
  • コルク: コルク自体を嗅いでみるのも一つの方法です。強いカビ臭がする場合、そのワインはブショネかもしれません。

4. ブショネの対策と予防

完全にブショネを防ぐことは難しいですが、いくつかの対策があります。

  • コルクの品質管理: ワイナリーでは、コルクの品質を厳しく管理し、TCAの発生リスクを最小限に抑える努力がされています。
  • スクリューキャップの利用: 一部の生産者は、ブショネのリスクを避けるためにスクリューキャップを使用することがあります。これは特に、毎日楽しむカジュアルなワインで見られる傾向です。
  • 適切な保存環境: ワインの保存環境も重要です。湿度が高すぎる場所で保存すると、カビの発生が促進されるため、適切な湿度管理が必要です。

5. ブショネに遭遇したらどうするか?

もしブショネのワインに遭遇したら、どうすればよいでしょうか?

レストランで提供された開栓直後のブショネのワインはソムリエ、スタッフの方に一度相談してみてください。返品や交換が可能な場合が多いです。

ですが、ワインショップで購入の場合はブショネの確認が困難の場合、返品交換が出来ない場合があります。

対応は様々なので一度、購入した店舗やレストランに相談してみてください。

ブショネは生産者側でもコントロールしにくい問題であるため、ワインのクオリティに対して責任を持つ生産者や販売者が多く存在します。

まとめ

ブショネはワイン愛好家にとって避けたい事象ですが、その原因や対策を知ることで、より良いワインライフを送ることができます。次回、ワインを開ける際には、ブショネの兆候に注意しながら、最高の一杯を楽しんでください。

【追加記事】ブショネ対策としてのDIAMコルクと合成コルク

ワインの世界では、ブショネ問題への対策として、様々な技術が開発されてきました。その中でも、注目されるのが「DIAMコルク」と「合成コルク」です。これらの技術は、ブショネの原因となるTCAを排除することで、ワインの品質を安定させることを目的としています。

1. DIAMコルクとは?

DIAMコルクは、フランスの会社DIAM Bouchageによって開発された技術で、天然コルクを使用しながらも、ブショネの原因であるTCAをほぼ完全に除去することができるコルクです。

特徴

  • TCAの除去: DIAMコルクは、特殊な二酸化炭素処理を施すことで、コルクに含まれるTCAを極限まで除去しています。これにより、ブショネのリスクを大幅に低減しています。
  • 天然コルクの質感: DIAMコルクは、天然コルクの持つ柔軟性や通気性を保ちつつも、化学処理によって安定性を高めています。そのため、ワインの熟成に必要な酸素の透過をコントロールしつつ、長期間の保存にも適しています。
  • 一貫した品質: DIAMコルクは、製造過程で厳密な品質管理が行われており、一本一本のコルクが均質であることが保証されています。これにより、ワインの品質も安定しやすくなります。

DIAMコルクは、高級ワインからカジュアルなワインまで、幅広いワインで使用されており、特にブショネリスクを最小限に抑えたい生産者に支持されています。

2. 合成コルクとは?

合成コルクは、プラスチックやその他の合成素材を使用して作られるコルクの代替品です。ブショネの問題を根本から解決するために、自然のコルクを一切使用しないアプローチをとっています。

特徴

  • TCAフリー: 合成コルクは、そもそもTCAを含まないため、ブショネの心配がありません。プラスチックや他の合成素材から作られているため、ブショネリスクを完全に排除できます。
  • 均一な品質: 合成コルクは、製造過程で一貫した品質を保つことが容易であり、個体差が少ないため、ワインの品質も安定しやすくなります。
  • コスト効率: 合成コルクは、天然コルクに比べて製造コストが低い場合が多く、カジュアルなワインや大量生産のワインでよく使用されています。

一方で、合成コルクは天然コルクと比べて通気性が劣るため、長期間の熟成には適さないことがある点に注意が必要です。そのため、若飲みタイプのワインや早期に消費されるワインに多く使われています。

結論

DIAMコルクと合成コルクは、それぞれ異なるアプローチでブショネの問題に対応しています。

DIAMコルクは、天然コルクの風合いを保ちながらTCAを除去する技術で、品質と伝統を重視する生産者に選ばれています。一方、合成コルクは、完全にブショネを排除できるコスト効率の高い選択肢として、多くのワインで利用されています。

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