BODEGA OJUEL(ボデガ・オフエル)
サルバッヘ2 マトゥラーナ・ティンタ 2019 Maturana Tinta
ぶどう マトゥラーナ・ティンタ主体、マズエロ、テンプラニーリョ品種
地質 丸石、粘土砂質土壌
野生酵母
酸化防止剤無添加
標高800mのソホンの丘のふもとにある、1925年に設立された特異なブドウ畑。
大西洋の影響を受ける立地、標高、北向きのため、リオハの他の原産地呼称とは非常に異なる気候となっています。
除梗したブドウをタンクにて発酵後フレンチオークで6か月熟成(冬季は野外)。イチゴ、カシス、レッドカラントなどの赤い果実のアロマ、余韻の長いフルーティーな味わい。
イベリア山脈の一部であるシエラ・デ・モンカルビーリョは、リオハの中で最も知られていないワイン生産地の一つです。
ログローニョ(Logroño)から南に約20kmのところに位置し、ナへリリ(Najerilla)渓谷とイレグア(Iregua)渓谷の分水嶺を形成しています。
過去には、標高(550~800m)や北向きであるためブドウの成熟を妨げる可能性がありました。
そのため、伝統的に自家消費が殆どで大手ブランドや生産者がいませんでした。
しかし、2000年代の10年間に転換点を迎えました。
気候変動やテロワールの傾向に助けられて、リオハのこの小さな一角の風景を表現することに焦点を当てたワインプロジェクトが登場しています。
その中でも特に興味深いのは、若いミゲル・マルティネスが、陰干したブドウから作られた伝統的な甘口ワイン「スプラオ」を復活させるために作った「ボデガ・
オフエル」です。
スプラオは薬としてあるいは家族の祝い事の時に飲まれていたものです。
ワイナリーは9ヘクタールのブドウ畑を30の異なる区画に分けて栽培しており、そのうち6つは父親の実家のものです。
そのほとんどが、彼の故郷であるソフエラ(ブランド名のオフエルは町名の最初と最後の文字を削除したもの)か、隣接するダロカとメドラノの地域にあります。
それらの多くは、最高標高800メートルまでの森に囲まれた小さなブドウ畑です。
当主ミゲル・マルティネス氏は、民族学からワインの世界に入ってきました。2005年の夏には、シエラの雪原にある古代の氷貯蔵システムの復元に携わり、この地域とその伝統に再び触れることができました。
スプラオの歴史(彼自身、自宅で作られているのを見て覚えていました)に魅せられ、生産者になりました。
古くからの家族経営のワイナリーの文化を継承し、農薬は使用せず銅と硫黄のみを使い、収穫は手摘み。
手動の圧搾機を使い、酵母の添加も行いません。現在はビオディナミーを実践しています。
この地域には、手付かずの自然が多く残っており、スペインのおよそ50%の蝶々の種が生息しています。
ワインラベルでもその多様さが表現されています。
2012年に初ビンテージのスプラオが登場。
2014年には数多くの名門ワイナリーが参加するバスク地方のOnlyWine
2014 コンクールで見事に優勝。同年DOCリオハの称号も与えられました。
2016年には赤・白スティル・ワインも手掛ける様になりました。
2018年にミゲルは、ワイン評論家のティム・アトキン氏から若手醸造家のホープとしてのお墨付き(ヤングワインメーカー・オブ・ザ・イヤー) をもらいました。
今後のスペインワイン業界を担っていく生産者です。