Domaine Tardieux-Gal <ドメーヌ・タルデュー・ガル>
Sauvignon ‘’Les Parcs’’ AOP Touraine
セパージュ:ソーヴィニヨンブラン 100%
粘土石灰の畑の斜面の上に植わる、樹齢 50 年以上のキュヴェ。手摘み収穫後に圧搾し、タンクにて醗酵。
滓とともに翌年の3月まで熟成。Les Sagères とは異なり、シレックスではなく石灰分が土壌に多いという性質からか、味わいがよりタイトで酸味を感じる。
ドメーヌはロワール地方シェール川の右岸 Thésée/テゼ村にあり、AOP Touraine , Touraine Chenonceau , Crémant de Loire を造っている。オーナーは Simon Tardieux/シモン・タルデュー氏 と Jérôme Gal / ジェローム・ガル氏の二人。
独特なテロワールが注目され 2011 年に AOP 認定となった TouraineChenonceau はシレックスと粘土が混じる土壌で、現在 27 の村
でこの AOP が認められている。
22 生産者が造っており、ドメーヌ・タルデュー・ガルは 2016 年にそれに加わった。
シェール川が見えることと、ソーヴィニヨンブランの場合は収量が 60hl/ha 以
下であること、畑が斜面にあることなど、諸条件を満たしている必要がある。このドメーヌのように右岸に畑がある場合、表土から 20 ㎝は水が溜まりにくく温まりやすい軽い土でブドウの根が下に伸びやすい。
20~28 ㎝のところもやわらかい土で、シレックスと多くの小石を含んでいる。さらにその下は粘土が増え砂の割合が減る。全体的には粘土が多く、シレックスを多く含む土であるとはいえ、力強くボディのしっかりしたワインが出来る。AOP Touraine Chenonceau の名前の由来は「有名なシュノンソー城を臨める畑のみが AOP に認定される」とシモン氏は言う。所有する畑はトータルで 15ha。
その内訳は、7.5ha ソーヴィニヨンブラン、3ha ガメイ、2ha コ(コット=マルベック)、1ha ピノドニス、1ha カベルネフラン、 0.5ha クレマン用のシャルドネとなる。前オーナーで現役を引退したアラン・クルトー氏の父親が 70 年代からこの土地で農業に取り組み、アスパラガスや果物などを栽培していた。
現在のブドウ畑は丘陵の上に広がっている。霜害の懸念がある斜面下の部
分の川のそばには畑はない。
シモン氏は 10 代のころからワイン造りに興味を持っており、トゥーレーヌのDomaine Clos Roche Blanche/ドメーヌ・クロ・ロッシュ・ブランシュなどで経験を積む。同時に障害者介護の仕事にも興味を持っており、将来はどちらの仕事に従事するか決めかねていたが、大学卒業後ソーシャル・ワーカーとして務め始めた。しかしワイン造りに対する情熱は冷めることなく結局 2006 年にテゼ村に戻り、ブドウ栽培を始めていたアラン氏のところでスタージュ(インターンシップ)として働く事に。
2009 年には出資をして、アラン氏と共同でドメーヌ・クルトー・タルデューを経営することとなった。
2014 年には最新のカーヴを建設。新たにガル氏がチームに加わり、2020 年にアラン氏が引退後ドメーヌ・タルデュー・ガルとしてスタート。
栽培はビオロジック農法ですべてのキュヴェでエコセール認証を所得済み。
醸造に際しては樽を使わず、グラスファイバー製のタンクを用いている。
収穫はすべて手摘み、自然酵母発酵、フィルターはごく粗く、SO2 の量も最小限に抑えている。